耳鳴りの予防や改善に摂るべき栄養やおすすめの食材
☆耳鳴りの予防や改善に摂るべき栄養やおすすめの食材
飛行機に乗ったときや静かな空間に入ったとき、「キーン」と耳鳴りを感じた経験は誰にでもあるでしょう。一時的に生じる耳鳴りはそこまで気にする必要はありませんが、慢性的に耳鳴りが起きる場合は、生活に支障をきたす恐れがあるため対策が必要です。
耳鳴りを改善したいときは、食事から耳鳴りに効果的な栄養素を摂取することがおすすめです。今回は、耳鳴りの予防や改善のために摂取しておきたい栄養素や食材について解説します。
☆耳鳴りとはどんな症状?
そもそも、耳鳴りとはどのような症状なのでしょうか。まずは、耳鳴りの定義や原因について基本的な知識を身に着けておきましょう。
1.耳鳴りの定義
耳鳴りとは、実際にはなっていない音が聞こえてしまう症状のことを指します。別名「耳鳴(じめい)」と呼ばれることもあります。「キーン」「ゴー」など、聞こえる音は人によってさまざまです。
耳鳴りの症状は、以下の2種類に分類できます。
- 自覚的耳鳴
患者自身にしか聞こえない耳鳴りで、内耳の蝸牛という器官や脳の聴覚中枢の障害によって引き起こされる。 - 他覚的耳鳴
血管や筋収縮など体内に音源がある耳鳴りで、聴診器によって第三者も聞くことができる。
どちらの耳鳴りなのかによって必要な対処が異なるので、長期間症状が改善しない場合は耳鼻科でしっかりと検査するようにしましょう。
2.耳鳴りの原因
耳鳴りの原因にはさまざまなものが考えられますが、ここでは一例を紹介しておきます。
- 難聴やメニエール病などの病気
- 薬の副作用
- 加齢による聴力の低下
- 騒音による耳のダメージ
- ストレス
難聴などの病気や薬の副作用が原因の場合は、しっかりと医師に相談して治療を受けましょう。ほかの原因が考えられる場合は、耳鳴りに効果的な栄養素を摂取することで症状を改善させられる可能性があります。
☆耳鳴りを改善・予防するために摂りたい栄養と野菜
ここからは、耳鳴りの改善や予防に効果的な栄養と、その栄養が含まれている野菜について具体的に見ていきましょう。
1.ビタミン
ビタミンにはさまざまな種類がありますが、とくに葉酸を含むビタミンB郡とビタミンCには耳鳴りの改善効果が期待できます。
ビタミンB郡には末梢神経の修復や血行の改善効果、ビタミンCには毛細血管の働きを改善させて耳の機能を回復するサポートをする効果があります。これらのビタミンは体内でほとんど合成できないため、野菜や果物からしっかりと補給してあげましょう。
【ビタミンB郡が多く含まれる野菜】
ししとう、モロヘイヤ、大根、ブロッコリー、赤パプリカ、さつまいも、かぼちゃ、ごま、落花生
【ビタミンCが多く含まれる野菜】
赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、菜の花、キャベツ、じゃがいも、さつまいも
2.亜鉛
亜鉛も、ビタミンに並んで耳鳴りに効果的だと知られている栄養素です。耳鳴りや難聴で悩む人の多くは、亜鉛欠乏に陥っていることが報告されているため、耳鳴りで悩む人は必ず摂取しておくようにしましょう。[注1]
【亜鉛が多く含まれる野菜】
切り干し大根、そら豆、ドライトマト、シソ、唐辛子、アボカド、バナナ、大豆食品
3.大豆イソフラボン
加齢によって耳鳴りが生じている場合、高い抗酸化力を持つ大豆イソフラボンを摂取すると症状が改善する可能性があります。大豆イソフラボンは血流を促進し、血管に弾力性をもたせてくれる効果があるためです。
大豆イソフラボンは大豆や枝豆をそのまま食べるだけではなく、豆腐や納豆、豆乳やきな粉などの加工食品を食べることでも摂取できます。
4.アミノ酸
栄養学的に神経機能にいいとされているアミノ酸も、耳鳴りの改善には効果的な栄養素です。アミノ酸は体内で合成できないので、食事で取り入れるようにしましょう。
アミノ酸は野菜に含まれている栄養素ではありませんが、魚や肉、卵や乳製品などに豊富に含まれている成分です。今回紹介した野菜と一緒に調理することで、効率的に耳鳴り改善・予防ができます。
☆耳鳴り予防に効果的な野菜のおすすめの食べ方
上記で紹介した栄養や野菜を効率的に摂取する食べ方を3つ紹介します。
1.皮や根本まで活用した豆乳スープ
野菜に含まれる栄養素は、皮や根本にも豊富に含まれています。そのため、栄養をムダにせずしっかりと摂取したいなら、皮や根元の部分を切り落とさずに食べることをおすすめします。
とはいえ、調理法によっては皮や根元部分が食べにくいと感じることもあるでしょう。そんなときは、スープに入れて煮込むことで食べやすくなります。
たっぷりと野菜を食べられるスープをお好きな味付けにしてもいいですが、耳鳴りの改善が期待できる豆乳を使ったスープもおすすめです。
2.栄養素が流出しない蒸し野菜
野菜に含まれるビタミンには、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と水に溶けにくい「脂溶性ビタミン」の2種類があります。耳鳴りに効果的なビタミンBやビタミンCは水溶性ビタミンであるため、茹でると栄養素が流れ出してしまいます。
加熱するときは茹で汁をスープにして飲むか、栄養素が流出しない蒸し野菜として食べることがおすすめです。
3.生で食べてビタミンをしっかりと補給
野菜に含まれる栄養素は、加熱すると破壊されたり流出したりて激減してしまう性質を持っています。そのため、可能であれば生のまま食べることが望ましいです。
パプリカやキャベツなど、生で食べられる野菜はできるだけ加熱しないで食べるようにしましょう。
【まとめ】
☆耳鳴りの改善・予防ができる栄養は食べ方が大切!
ストレスや老化などによって引き起こされる耳鳴りは、血行の改善や耳の機能をサポートする効果が高い栄養素を摂取することで改善できる可能性があります。耳鳴りに悩んでいる人は、ぜひ今回紹介した食材を意識して食べてみてください。
耳鳴りに効果的な栄養素を含む野菜は、食べ方を工夫すればより効果を引き出すことが可能です。食材だけではなく、調理法や食べ方にも注意して摂取していきましょう。
[注1]J-STAGE|一般地域住民における血清亜鉛値と耳鳴・難聴・抑うつについての縦断的検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/61/2/61_154/_pdf